成人式前撮り撮影のヒント
2020/12/24
岡山県倉敷市
女性カメラマンのアトリエリッカです。
成人式まで1ヶ月を切りましたね。
師走でもあり、毎日お忙しく過ごされていらっしゃることだとお察ししていますが…。
皆さん急激に寒くなりましたがいかがお過ごしでしょうか?
成人式前撮りをすでに済まされた方も、
まだの方も、
また、カメラを持っていると身近な新成人を迎える方や御家族の方より、撮影してもらいたいと言われる事はありませんか?
今回はそんな皆様に向けての記事を書いてみようと思います。
手足に麻痺や重複した個性をお持ちでありながらも、成人式前撮りを健常者のお嬢様と変わらないくらいに頑張られたお客様です。
もちろんご本人や親御様の許可のもと掲載させていただいています。
普通に正座をするだけでも、まあまあしんどいです。
ましてやお着物をお召の中の正座は尚更しんどいです。
お着物をお召になった方への撮影は、短時間で型を作り5分以内に撮影を終わらせるのが大切なポイントです。
では、正座の型を短時間で作り撮影するポイントを、いくつかお伝えします。
座る位置とカメラの位置や構図を決めておく
のが大切なポイントです。
お客様にお座りいただく前に考えておきます。
その上で、お座りいただく場所までご移動します。
着物は基本左を見せますので、カメラマン側から見る時に向かって右側を見せるように斜め45度位に立っていただきます。
そこではじめて、
『座ってください。』
となる訳ですが、その時にお客様が倒れないように誘導します。
『倒れそうになったら私の肩を触ってください。』
とお声かけしながら、
お着物が乱れないように、お客様のお膝より下を自分の左手で伸ばし固定します。
その際にお着物の左側布が乱れるので、膝から下の左側の部分(カメラマン側から見て奥側。お客様の右膝あたり)にほんの少しだけカメラマン側であるお着物外側に折り目を付けます。
お客様の右膝あたりのお着物が乱れないように気をつけます。
同時にお座りいただいた際に、膝下のお着物も乱れていないかよく見ておきます。
それらを同時進行にしてお座りいただきます。
大まかに座っていただく所が決まりましたら、左右どちらが先でもよろしいですが、
片手片足にそれぞれ重心をかけてくださいとお願いします。
反対側の浮いたお足の方から、はみ出ているお着物を中側にしまいます。
それを左右両方します。
見せたい振袖の柄を決めます。
決めたら片手ごとに、腕を水平に伸ばして頂きながら、袖口を整え、お膝に置いてもらいます。
腕部分は、三角形を作ることを意識しながら振袖を整えます。
背筋は真っ直ぐ伸ばし
お顎を少し引いていただく
首から頭にかけて、少し左に(カメラマン側から見て右側)振ってくださいとお声かけして、撮影になります。
今回のお写真では、
麻痺をお持ちのお客様に何度も座り直しをさせて、しんどいお気持ちにさせてしまってはいけませんので、
座り直しをしていただいていませんし、
どうしてもお着物が乱れますので、バッグを手前に置かせて頂き、乱れが見えるのを防止しました。
ですが、お母様は、
『普通のお嬢様と同じようなポーズで撮影できて嬉しい。』
と仰っていましたのと、
お嬢様も、
『できる、頑張れる!』
と言われながら、終始笑顔で頑張られました。
絶対にお客様(お着物をお召になった被写体様)に、しんどいお気持ちにさせてしまわないこと。
5分以内の短時間で笑顔を引き出しながら、早く終わらせるのが大切です。
これから年始にかけてお着物をお召になる機会が増えると思いますので、
被写体様にとっても、カメラマン側の皆様にとっても、参考になれば幸いです。